Japanische Klassiker mit Furigana
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『ぐうぞうさいこう』じょげん
ゼエレン・キェルケゴオル
和辻 哲郎
Lesen Sie ゼエレン・キェルケゴオル (『ぐうぞうさいこう』じょげん) von 和辻 哲郎 (わつじてつろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 101.567 Zeichen · 212 Bildschirme
なぜなら、私はT氏を訪ねて行く若い人たちのまじめに道を求める心持ちに、今なおある種の同感を持ち得るからである。しかしまた私は、愛することを欲しているT氏が好んで残酷を選んだ苦しさをも理解し得るように思う。そうしてT氏をその心持ちに押しつけて行った責任を自分もまた別たなければならないと感ずる。T氏に訪客と逢うことのはかなさを経験させたのは訪客自身であった。私たちは病人が医薬を求めるようにT氏から愛と智とを求めながら、やがて路傍の人のように冷淡になった。時おりなつかしい心でT氏のことを思い出しても、それを伝えるだけの熱心がない。それがいかにT氏の心を傷つけたかについては、私たちはあまりに無知であった。T氏もまた弱い所の多い求道者であることを、与うるとともに受けなければならない乏しい愛の蔵であることを、私たちはあまりに知らなさ過ぎた。私はT氏に対して済まないという思いを禁ずることができない。
わずかに三四度逢ったT氏に対してさえそうである。まして彼らの場合は。――何といってもIやKは寂しいだろう。私を失ったためよりも、私の別離が凶兆として響いたために。