Japanische Klassiker mit Furigana
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『ぐうぞうさいこう』じょげん
ゼエレン・キェルケゴオル
和辻 哲郎
Lesen Sie ゼエレン・キェルケゴオル (『ぐうぞうさいこう』じょげん) von 和辻 哲郎 (わつじてつろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 101.567 Zeichen · 212 Bildschirme
樗牛は「吾人はすべからく現代を超越せざるべからず」とて神経衰弱に縄を張った。あに計らんやからめ手は肺病に破られて、樗牛はどうしても真面目に生きねばならなくなった。晩年の煩悶はこれがためである。宗教の要求はこれがためである。若い時から「どこまでも世人をばかにして暮らすべきものに候」と言いながら樗牛全集五巻を世人に遺したのはこれがためである。たとえ有能なる影響を吾人の心霊に与えずとも少なくとも彼の霊的努力は彼がばかにしていた「小児輩」にかなりの勢力がある。この霊的執着の半面には物質を超越せんがために強烈なる煩悶があった。
「草枕」の画かきさんはこの世を「住みにくい国」と言う。画かきさんは芸術をもってこの世を住みよくし浮世の有象無象を神経衰弱より救うつもりである。春の、ホコホコと暖かい心持ちのよい日に、春の海を眺め春の山を望みボケの花の中で茫然として無我の境に無我の詩を造る。画工さんはまず自己を救った。すべての物質的人事を超越している。この画かきさんが大なる決心と気概とをもって、霊の権威のために、人道のために、はた宇宙の美のために断々乎として歩むならば吾人は霊的本能主義の一戦士として喜んで彼を迎えたい。