Japanische Klassiker mit Furigana
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『ぐうぞうさいこう』じょげん
ゼエレン・キェルケゴオル
和辻 哲郎
Lesen Sie ゼエレン・キェルケゴオル (『ぐうぞうさいこう』じょげん) von 和辻 哲郎 (わつじてつろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 101.567 Zeichen · 212 Bildschirme
五
言を換えて言えば、病苦は続く間だけ続く。病気に罹った以上は誰でも最後まで苦しみ通すのである。耐忍するもしないもない。しかも我々は病苦に堪え得る人と堪え得ぬ人とを区別する。同じ病苦を受けるにもそれほど異なった二つの態度があるからである。
「しかり」と「否」と。受ける態度と逃げる態度と。生きる人と死ぬ人と。これがまず人間の尊卑をきめるだろう。
五
生の苦患に対する態度については、それが道徳的に大きい意義を持てば持つほど、より大きい危険がある。
病苦は号泣や哀訴によってごまかすことはできても、全然逃避し得る性質のものでない。しかし精神的な生の悩みは、露出させる事によってごまかし得るほかに、また全然逃避することもできるのである。
ある内的必然によって意志を緊張させた場合を想像する。喩えて言えば、ある理想のために重い石を両手でささげるのである。腕が疲れる。苦しくなる。理想の焔に焼かれている者は、腕がしびれても、眼が眩んでも、歯を食いしばってその石をささげ続ける。彼の心は、神の手がその石を受け取ってくれる瞬間のためにあえいでいる。しかしこれと異なった態度の人は、腕が疲れて来るに従って、石を大地に投げ捨てた時の安楽と愉快とを思う。