Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

ノンシャランどうちゅうき

ノンシャラン道中記

久生 十蘭

Lesen Sie ノンシャラン道中記 (ノンシャランどうちゅうき) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.137 Zeichen · 26 Bildschirme

Aozora Bunko

コン吉の声に夢さまされたタヌはこれも意外な環境に驚き、

「あらま、大変ね、ずいぶん広いわね」と、眼をみはりながら「でもどうしてあのロップが切れたのかしら、ずいぶん丈夫そうな様子だったけど」というと、今まで寂然として顎の三角髯をひねってた、公爵は、もの柔らかに、

「いや、綱は私がといたのです、綱のせいではありません」と答えた。

「あらま、公爵!」

「どうしてまた!」と、コン吉とタヌが左右から詰め寄ると、公爵は波に戯れる鴎の群れを眼で追いながら、

「このへんには、海岸にそって幅の広い海流がありますから、それに乗りさえすれば黙っててもニースまで行きますから心配なさることはありませんね」

「でもね、僕の荷物はみなキャンヌに置いてあるのですから、ちょっともどって持って来たいのです……つかぬ事を伺うようですが、やはりあっちへ帰る海流っていうのもありましょうか、もし、ありましたらここらでちょいと乗り換えをして……」と、コン吉はなんとか公爵をなだめてキャンヌに引返そうという方寸、公爵はにべもなく、

「こうなった以上、あなた一人のために筏を始発駅にもどすというわけにはゆきませんね、いいじゃないですか、ニースへ行きましょう。