Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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かぜのまたさぶろう

ポラーノの広場

宮沢 賢治

Lesen Sie ポラーノの広場 (かぜのまたさぶろう) von Miyazawa Kenji (宮沢 賢治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 67.062 Zeichen · 135 Bildschirme

Aozora Bunko

みちは岩の崖になった処の中ごろを通るのでずいぶん度々山の窪みや谷に添ってまわらなければなりませんでした。ところどころには湧水もあり、又みちの砂だってまっ白で平らでしたから耕一は今日も足駄をぬいで傘と一緒にもって歩いて行きました。

まがり角を二つまわってもう学校も見えなくなり前にもうしろにも人は一人も居ず谷の水だけ崖の下で少し濁ってごうごう鳴るだけ大へんさびしくなりましたので耕一は口笛を吹きながら少し早足に歩きました。

ところが路の一とこに崖からからだをつき出すようにした楢や樺の木が路に被さったとこがありました。耕一が何気なくその下を通りましたら俄かに木がぐらっとゆれてつめたい雫が一ぺんにざっと落ちて来ました。耕一は肩からせなかから水へ入ったようになりました。それほどひどく落ちて来たのです。

耕一はその梢をちょっと見あげて少し顔を赤くして笑いながら行き過ぎました。

ところが次の木のトンネルを通るとき又ざっとその雫が落ちて来たのです。今度はもうすっかりからだまで水がしみる位にぬれました。耕一はぎょっとしましたけれどもやっぱり口笛を吹いて歩いて行きました。