Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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「モダンさるかにがっせん」

「モダン猿蟹合戦」

宮本 百合子

Lesen Sie 「モダン猿蟹合戦」 (「モダンさるかにがっせん」) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 7.414 Zeichen · 15 Bildschirme

Aozora Bunko

東北青森地方はひどい飢饉です。

そういうことはちょいと新聞にのるだけであとは、どっちを向いても「満蒙」「満蒙」です。われわれの考えるべきこと熱心になるべきことは満蒙事件しかないようですが、それならそれでいい。そもそも満蒙について、白木屋の展覧会はわたし達にどんなホントウのことを教えてくれるか。それを見たくて入ったわけなのです。

割引電車のように込むエレベータアにつめこまれ、五階でおろされる。紅白幕で飾った展覧会の入口から、マア、これはひどい勢いだ。小学生、小さい女学生、印バンテンの労働者、お仕着せを着たどっかの小僧さんの一団までをまぜて、見物人は犇々太い丈の手摺りぎわへつめよせ、ギッシギッシと動いている。誰もかれも上気せている。係の店員が「御気分のおわるい方は救護所がございます!」と叫んでいる始末だ。「モダン猿蟹合戦」という絵物語が、みんなをこんなに吸いよせているのです。

猿蟹合戦のはなしを知らないものは子供だっていない。そこをうまくつかまえ、猿を支那にしてある。蟹は日本です。

蟹が日清戦争で遼東半島というデカイ握り飯を貰ったら、熊(これは帝政時代のブルジョア・地主のロシア)虎(フランス)狼(イギリス)が出しゃばって来て日露戦争で握り飯を蟹からとりあげ小さい柿の種(北満)をおしつけた。