Japanische Klassiker mit Furigana
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リギさんじょうのいちや
リギ山上の一夜
斎藤 茂吉
Lesen Sie リギ山上の一夜 (リギさんじょうのいちや) von 斎藤 茂吉 (さいとうもきち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 6.621 Zeichen · 14 Bildschirme
Rigi-Staffel, Rigi-Klsterli などいうところを通って、Rigi-Kulm に著いたのは、太陽の傾きかけた頃であった。そこの旅舎は立派で大きかった。旅舎に著いて洋傘のないのに気附き慌てていると、同車して来た外国の旅人が洋傘を持って来てくれた。旅人はやや老いた夫婦でルマニアあたりの者であった。旅舎の部屋は立派なのは幾つもあるが、幾つか見て廻って十八フランケンのに極めた。当時の相場で邦貨九円余に当っていた。
それから旅舎を出て、後ろの方にある丘にのぼって行った。この丘は展望が好く利くので、アルプス山系のうねりを観ることが出来る。山系のうねりというのも、高く鋭いのには白雪が降り、いまだ雪の降らないのもあり、相交錯したうねりであって、いわば生きているようなものである。
湖の大小がその間に湛えている。直ぐ目の下には Zuger See が、間にやや狭い縊を持って北方に見えなくなっている。太陽は傾きかけて、湖水の面は、遥か向うは水銀の色に光り、近きあたりは黝ずんだ紺に見えている。北の方に湖の尽きているその彼方は瑞西の首都 Zrich であって、ゆうべまでそこの旅舎に宿っていたのであった。