Japanische Klassiker mit Furigana
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リギさんじょうのいちや
リギ山上の一夜
斎藤 茂吉
Lesen Sie リギ山上の一夜 (リギさんじょうのいちや) von 斎藤 茂吉 (さいとうもきち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 6.621 Zeichen · 14 Bildschirme
二
「そうね。巴里を立ってから、もう幾日か知ら」「もうそろそろ二月だね。海峡でお前反吐ついたでないか。西洋人の尼の奴もお前の側で反吐ついていたったね」「あたし、もうホテルへ帰るわ。此処のところはだいぶ寒い」。
妻と二人は「頂上」の丘を下りて旅舎に帰って来た。玄関で絵葉書などを買って、そこの貼紙を見ると、「御客様方は、日の出三十分前に、アルプス山の角笛を以てお起こし申上げます」”※(2分の1、1-9-20)St. vor Sonnenaufgang werden die Gaeste durch Alphornblasen geweckt“と書いてあった。
二
帰って来て見ると、部屋は正方形ではなく角のところが少しく欠けている。その部屋に小さい寝床が二つ並んでおり、円い卓が一つと、椅子が三つばかりある。
僕は外套を著、頸に襟巻を巻いて、窓の玻璃に顔をおしつけるようにして山を見ていた。山は旅舎から南方に畳なわるもので、近いところから段々奥の方の山になると既に白い雪が降って水晶の結晶群を見るようである。窓の玻璃が僕のつく息で曇るのを、僕は手の掌で拭いた。
太陽は右手の山の向うに没したらしく、山の色が刻々に変って行った。