Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ひとつぼかん

一坪館

海野 十三

Lesen Sie 一坪館 (ひとつぼかん) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 27.902 Zeichen · 56 Bildschirme

Aozora Bunko

「持ちたいですがねえ……」持ちたいですが、現在の身の上では、火星探険と同じように、自分の力では出来ない相談だと源一はあきらめ顔になる。

「じゃあ、このとおり、ぼくはここへこの店を建てることにしよう」

「えっ、なんですって……」

源一は、思わず大きなこえを出して、ヘーイ少佐の顔をみつめた。

少佐は愉快そうに美しい歯なみをみせて笑っていた。

「これはぼくが設計したビルだ。これをぼくがたてる。ぼくは、三階に住む。あとの二階と一階と地階は、君が使って店にしてもいいし、ベッドをおいてもいい。そういう条件を君が承知するなら、ぼくはこのビルをたてる。どうだい、ゲンドン」

そういわれて、源一はすぐにことばも出ず、つづけさまに、大きなため息が二つ出た。それから彼は、自分の頬っぺたをぎゅうとつねってみた。

「あ、痛い。ゆめじゃないね」と源一はひとりごと。

少佐はパイプを出して火をつけながら、笑っている。

「承知するかい、ゲンドン」

「ありがとう。ぜひお願いします」と、源一はやっとものがいえた。全く思いがけないことだ。しかし少佐の好意にあまえていいのだろうか。

「心配しなくてもいい。