Japanische Klassiker mit Furigana
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ひとつぶのしんじゅ
一粒の真珠
小川 未明
Lesen Sie 一粒の真珠 (ひとつぶのしんじゅ) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 2.096 Zeichen · 5 Bildschirme
勇吉は、この思いがけない恵みに、どんなに勇気づいたでありましょう。頭を下げてお礼をいうとすぐさま駈け出したのでありました。
トン、トンと、彼は閉まっている医者の家の戸をたたきました。
「いま時分、どこからか?」といって、取り次ぎは、眠そうな目をこすりながら、戸を開けて、のぞきました。
「もう先生は、お休みになったからだめだ。」と、勇吉を見て、情けなく断りました。
このとき、勇吉は、一粒のぴかぴか光る、小さな珠を出して、これをどうか先生に見せてお願いもうしてくれと頼みました。取り次ぎは、ぶつぶついいながら奥へ入ると、まもなく医者が、玄関へ飛び出してきて、
「この真珠の珠には見覚えがあるが、だれからもらった?」と、ききました。
勇吉は、ここへくるまでの、あったこと、見たことを、すべて物語りました。
「それは、たしかに私の兄だ! 私が悪かったばかりに、十年も前にこの町から、いなくなってしまったのだ。」といって、医者ははじめて目がさめたように、これまでの自分の行いを後悔しました。
「私は、これから、貧しい人たちのためにつくそう……。」
こういって、医者は、さっそく車を呼んで、その車に勇吉もともに乗せて、さびしい村へと走らせたのです。