Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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みっつのたから

三つの宝

芥川 竜之介

Lesen Sie 三つの宝 (みっつのたから) von Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 7.156 Zeichen · 15 Bildschirme

Aozora Bunko

二

――しかしああやすやす欺されるとは、あの王子も大莫迦じゃないか?

第二の盗人 しっ! 壁に耳あり、徳利にも口だ。まあ、どこかへ行って一杯やろう。

三人の盗人は嘲笑いながら、王子とは反対の路へ行ってしまう。

二

「黄金の角笛」と云う宿屋の酒場。酒場の隅には王子がパンを噛じっている。王子のほかにも客が七八人、――これは皆村の農夫らしい。

宿屋の主人 いよいよ王女の御婚礼があるそうだね。

第一の農夫 そう云う話だ。なんでも御壻になる人は、黒ん坊の王様だと云うじゃないか?

第二の農夫 しかし王女はあの王様が大嫌いだと云う噂だぜ。

第一の農夫 嫌いなればお止しなされば好いのに。

主人 ところがその黒ん坊の王様は、三つの宝ものを持っている。第一が千里飛べる長靴、第二が鉄さえ切れる剣、第三が姿の隠れるマントル、――それを皆献上すると云うものだから、欲の深いこの国の王様は、王女をやるとおっしゃったのだそうだ。

第二の農夫 御可哀そうなのは王女御一人だな。

第一の農夫 誰か王女をお助け申すものはないだろうか?

主人 いや、いろいろの国の王子の中には、そう云う人もあるそうだが、何分あの黒ん坊の王様にはかなわないから、みんな指を啣えているのだとさ。