Japanische Klassiker mit Furigana
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さんえもんのつみ
三右衛門の罪
Lesen Sie 三右衛門の罪 (さんえもんのつみ) von Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 7.132 Zeichen · 15 Bildschirme
これは心の秤から見れば、云わば一毫を加えたほどの吊合いの狂いかもわかりませぬ。けれども数馬はこの依怙のために大事の試合を仕損じました。わたくしは数馬の怨んだのも、今はどうやら不思議のない成行だったように思って居りまする。」
「じゃがそちの斬り払った時に数馬と申すことを悟ったのは?」
「それははっきりとはわかりませぬ。しかし今考えますると、わたくしはどこか心の底に数馬に済まぬと申す気もちを持って居ったかとも思いまする。それゆえたちまち狼藉者を数馬と悟ったかとも思いまする。」
「するとそちは数馬の最後を気の毒に思うて居るのじゃな?」
「さようでございまする。且はまた先刻も申した通り、一かどの御用も勤まる侍にむざと命を殞させたのは、何よりも上へ対し奉り、申し訣のないことと思って居りまする。」
語り終った三右衛門はいまさらのように頭を垂れた。額には師走の寒さと云うのに汗さえかすかに光っている。いつか機嫌を直した治修は大様に何度も頷いて見せた。
「好い。好い。そちの心底はわかっている。そちのしたことは悪いことかも知れぬ。しかしそれも詮ないことじゃ。ただこの後は――」