Japanische Klassiker mit Furigana
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さんあくにんものがたり
三悪人物語
山本 周五郎
Lesen Sie 三悪人物語 (さんあくにんものがたり) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 28.990 Zeichen · 58 Bildschirme
なる代官制が布かれた。――南欧ベニスに比せられたる佐貝の「自由都市」たる性格も、歴史の法則にしたがってかく解体され、淘汰の石車によってきれいに地均しをされた結果、単なる幕府の代官所在地となり終わったのである。
焼野となって五年、埋められた濠も復活され、地割りも出来、家もだいぶ建った。佐貝は西が海に面し、三方に濠がある。外と往来するにはこの濠に架した橋によるほかはない、橋には番人小屋があって、禁制品の密交易を厳しく監視する、非常に厳重だから注意が願いたい。――南北に延びている町のほぼ中央、殿馬場という所に「佐貝政所奉行役所」が建っている、与力同心の住宅もある、北と南の広小路には、富裕な商人や倉庫業者たちの家倉土蔵、問屋、商舖などが建ち、海に面した大丁浜には廻漕倉庫が並んでいる。またそこここに寺院の大屋根が五つも見えるが、……庶民どもの住宅街はまるでひどい、乞食部落というより焼け木杭と繩蓆をつくねた感じである。もちろんまだ焼跡のまま空いている地面がいたるところにあって、そこにはより貧しい人たちの小屋が散在している。辻という辻には高札が立ち、そこにはこんな定書が貼出してある。