Japanische Klassiker mit Furigana
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さんまいつづき
三枚続
泉 鏡花
Lesen Sie 三枚続 (さんまいつづき) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 63.572 Zeichen · 124 Bildschirme
八
五ツ紋の青年は、先刻門内から左に見えた、縁側づきの六畳に畏って、件の葭戸を見返るなどの不作法はせず、恭しく手を支いて、
「はじめましてお目に懸ります。」
八
「はあ、貴方がその勝山さんのお使?」と大人は紅革の夏蒲団の上に泰悠におわす。此方は五ツ紋の肩をすぼめるまで謹んで、
「さようでございます、へい。」
「御親類の方ですかね。」
「いえ、親類と申しますでもございませんが、ちと懇意に致しますもので、ついこの坂下まで手前用事で参りましたに就いて、彼家から頼まれまして、先生様の御邸へ伺いますように、かねてお世話に相成ります御礼を申上げますよう、またどうぞ何分お願い申上げまするようにと、ことづかりましたんで、へい、めっきりお暑うございますな、」といいながら、袂を探ると白地の手拭を取出して額を拭った。
「はあ、何、それはわざわざ。」
「実は母親が参ります筈なんでございますが、一体このとかく病身な上、貧乏暇なし、手もございません処から、相済みませんが失礼をいたしまして、」といいかけてまた額の汗を。見る処人形町居廻りから使に頼まれたというが堅気の商人とも見えず、米屋町辺の手代とも見えず、中小僧という柄にあらず、書生では無論ない。