Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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さんまいつづき

三枚続

泉 鏡花

Lesen Sie 三枚続 (さんまいつづき) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 63.572 Zeichen · 124 Bildschirme

Aozora Bunko

二十九

不断、皆様で可愛がってくれますし、お夏さんも贔屓にして下すったもんだから、すぐにその何でさ、二階の座敷へ上りました。

目の覚めるような六畳は、一面に桜の造花。活花の桃と柳はいうまでもありませんや、燃立つような緋の毛氈を五壇にかけて、いばかりに飾ってあります、お雛様の様子なんざ、私にゃ分りません、言ったって、聞いたって、ただもう綺麗で沢山。

お夏さんは直ぐその壇の下の処に雪洞を控えて、立派に着換えていなすったっけ。

あの内裏様のだって、別に二個蒔絵の蝶足のそうですな!……」

愛吉は卓子の上に四角な線を指の先で引いた。

「この位なお膳がありましょう、男雛のと女雛のと一対、そら、あの、」

金之助は熱心に耳を傾けながら頷いた。

二十九

「可うございますか、その一対の小さなお膳を、お夏さんが自分の前に置いて、もう一個の方を向うへならべて、差向いという形で居なすったが、前には誰も見えなかったんです。

指を丸げた様な蒔絵の椀、それから茶碗、小皿なんぞ、皆そのお膳に相当したのに、種々な御馳走が装ってありましたっけ。

その後病気で亡くなりましたが、あの診察所に附いていた年増ね、乳母というんじゃあなかったんですが、お夏さんのお気に入で傍の処へ。