Japanische Klassiker mit Furigana
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さんまいつづき
三枚続
泉 鏡花
Lesen Sie 三枚続 (さんまいつづき) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 63.572 Zeichen · 124 Bildschirme
さるほどに愛吉は鯰の伝六一輩に突転ばされて、身体五六ヶ所に擦疵、打たれ疵など、殊に斬られも破られもしないが、背中の疼痛が容易でない。
もっとも怪我をした当夜は、足を引摺るようにして密と紋床へ這戻り、お懶惰さんの親方が、内を明けて居ないのを勿怪の幸、お婆さんは就寝てなり、姐さんは優しいから、いたわってくれた焼酎を塗って、上口の火鉢の傍へ突臥して寝たが、さあ、難儀。
あくる日帰って来た紋三郎には口惜くっても喧嘩のことは話されず、もとより条理の立った事ではない、酒の上の悪戯を懲らした方は、男が可いけれども、親方は身内のこと、邪が非でもきかない気なり、かねて快からぬ対手が伝六と明してはただ済むまい。引被って達引でも、もしした日には、荒いことに身顫いをする姐さんに申訳のない仕誼だと、向後謹みます、相替らず酔ったための怪我にして、ひたすら恐入るばかり。
転んだ身体を引摺って歩行いても、これほど疵がつく砂利は界隈にない筈と、紋三内々は睨んだが、愛的可いほどにしておけ、お前には母親があるぜ、と言って深くは咎めず、大目に見てくれたのが附目な位。可哀そうに染むだろうねと、あねさんがまた塗ってくれる焼酎を、どうぞ口の方へとも何ともいわない弱りさ加減、黒旋風の愛吉疼むこと一方ならず。