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Japanische Klassiker mit Furigana

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うぶやものがたり

与謝野晶子評論集

与謝野 晶子

Lesen Sie 与謝野晶子評論集 (うぶやものがたり) von 与謝野 晶子 (よさのあきこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 116.383 Zeichen · 233 Bildschirme

Aozora Bunko

産屋物語

雛の節句の晩に男の子を挙げてまだ産屋に籠っている私は医師から筆執る事も物を読む事も許されておりません。ところで平生忙しく暮しておりますので、こう静かに臥っておりますと何だか独りで旅へ出て呑気に温泉にでも入っておるような気が致しますし、また平生考えもせぬ事が色色と胸に浮びます。お医者には内所で少しばかり書きつけて見ましょう。

妊娠の煩い、産の苦痛、こういう事は到底男の方に解る物ではなかろうかと存じます。女は恋をするにも命掛です。しかし男は必ずしもそうと限りません。よし恋の場合に男は偶ま命掛であるとしても、産という命掛の事件には男は何の関係もなく、また何の役にも立ちません。これは天下の婦人が遍く負うている大役であって、国家が大切だの、学問がどうの、戦争がどうのと申しましても、女が人間を生むという大役に優るものはなかろうと存じます。昔から女は損な役割に廻って、こんな命掛の負担を果しながら、男の方の手で作られた経文や、道徳や、国法では、罪障の深い者の如く、劣者弱者の如くに取扱われているのはどういう物でしょう。縦令如何なる罪障や欠点があるにせよ、釈迦、基督の如き聖人を初め、歴史上の碩学や英雄を無数に生んだ功績は大したものではありませんか。