Japanische Klassiker mit Furigana
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ちゅうせいのぶんがくでんとう
中世の文学伝統
風巻 景次郎
Lesen Sie 中世の文学伝統 (ちゅうせいのぶんがくでんとう) von 風巻 景次郎 (かざまきけいじろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 115.977 Zeichen · 230 Bildschirme
尊氏の謀叛によって、吉野へ落ちられた後は、薨去まで約五十年、全く流離困乏の御生活であった。この間還俗されて宗良の御俗名を用いられ、伊勢・遠江・越後・越中等におられたが、おもには信州におられたので、信州大王と申しあげている。後村上天皇崩御になり、親房も薨去した。親王は六十二歳の文中三年漸く吉野に御帰りになった。間もなく天授三年長谷で再び出家をとげられ、弘和元年『新葉集』を撰ばれた頃は河内国に住居された。しかしその後の御事蹟は不明で、薨去の年月も御終焉の地も、いずれもはっきりは判らない。大体は元中二年薨去、七十三、四歳位であらせられた。
御歌集は『李花集』といって、建徳二年(五十九か六十)までの御作を集めてある。それと『新葉集』との詞書は吉野朝史の重要な根本史料の一つであるが、ここには専らこの吉野朝の柱石であられた親王の御歌だけを掲げて置こう。
帰る雁なにいそぐらん思ひ出でもなき故郷の山と知らずや
故郷は恋しくとてもみ吉野の花のさかりをいつか見すてん
都には風のつてにも稀れなりし碪のおとを枕にぞ聞く
思ひきや手も触れざりし梓弓おきふし我が身なれんものとは
君の為世の為なにか惜しからむ捨ててかひある命なりせば