Japanische Klassiker mit Furigana
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アラスカのひょうが
中谷宇吉郎紀行集 アラスカの氷河
中谷 宇吉郎
Lesen Sie 中谷宇吉郎紀行集 アラスカの氷河 (アラスカのひょうが) von 中谷 宇吉郎 (なかやうきちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 122.039 Zeichen · 248 Bildschirme
朝起きてみたら、屋根も地面も真白になっていたので、すっかり驚いてしまった。まだ冬の仕度がちっとも出来ていないので、少しあわてたが、そのつぎの日から、また暖かくなって、東京の十一月のようないい天気が毎日つづいている。これから「インディアンの夏」という暑い時期が一、二週間やってきて、それから本式の冬になるのだそうである。このあたりでは、大陸的な気候の特徴として、秋が短い。しかしその短い秋を彩る木々の葉の色は、限りなく美しい。
シカゴは商工業ともに殷賑をきわめているひどく汚い街である。煖房としては、無煙炭しか焚いてはいけない規則になっているのだそうであるが、どの建物もひどく煤け、道路もかなり乱雑である。しかし郊外には、いい住宅地がたくさんあって、そういうところには、樹木が多く、日本の秋の美しさを偲ばせる風趣が十分にある。
この附近はどこまでも全くの平らな土地であって、五、六十年前までは、原始林であったところを拓いたのだそうである。樹木はその頃の立木を残したもので、亭々とした樫だの柏だのエルムなどが、家々の屋根をおおって聳え立っている。それで、この附近では、まるで林の中で生活しているような恰好である。