Japanische Klassiker mit Furigana
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アラスカのひょうが
中谷宇吉郎紀行集 アラスカの氷河
中谷 宇吉郎
Lesen Sie 中谷宇吉郎紀行集 アラスカの氷河 (アラスカのひょうが) von 中谷 宇吉郎 (なかやうきちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 122.039 Zeichen · 248 Bildschirme
一家五人で毎日のように風呂に入り、洗濯器を酷使し、台所でも湯をふんだんに使い、その外料理は全部瓦斯であるが、それらを全部合せて、一月に四ドル半くらい払えばいいのであるから、瓦斯の節約という観念は、アメリカにはない。普通の労働者の一日の日給は現在十二ドルくらいである。
温湯装置は、地下室のほんの一部を占めるだけで、一番の大物は煖房装置である。少し大きい家の煖房は温水であるが、普通は熱風煖房が多い。大きい重油の燃焼炉が地下室の真中にがん張っていて、それから太い送気筒が、七、八本各部屋の床へ、蛸の足のようにのび上っている。ちょっと怪奇な恰好である。隅の方に大きい重油タンクがあって、これは油屋が責任をもって時々補給して、決して切れないようにしておいてくれる。油屋とは、いろいろな契約の仕方があるが、「いつでも一杯」という契約欄にサインしておくと、冬中煖房のことは忘れていてよいのである。九月の終り頃、この契約をしておくと、翌年の五月頃までずっと、頃合を見はからってタンク車がやってきて、重油を補給してくれる。
それは本当に忘れていてよいのである。重油の燃焼炉には、いつでも小さい点火用の焔がついていて、全装置が自動的に働くようになっている。