Japanische Klassiker mit Furigana
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アラスカのひょうが
中谷宇吉郎紀行集 アラスカの氷河
中谷 宇吉郎
Lesen Sie 中谷宇吉郎紀行集 アラスカの氷河 (アラスカのひょうが) von 中谷 宇吉郎 (なかやうきちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 122.039 Zeichen · 248 Bildschirme
凍土の深さは一メートル程度に過ぎないが、それでも、この凍上には鉄道は随分悩ませられる。ところが北満のこの土地へくると、凍結深度が四メートルにも達するところがある。そういう所では、春から秋にかけて、弱い陽の光がやっと凍土層を下まで融かしたと思う頃には、もう冬がきて、土地は表面から凍り始める。人間も草木も、土の融けるわずかの期間を盗むようにして、その営みをするのである。
しかしわずかばかりの期間でも、すっかり土の融け切るこの土地は、まだ太陽の恩寵を蒙っていると言える。あの荒漠としたシベリアの大平原のほとんど全部は、地の底の氷の融け切る時のない地帯なのである。秋の末晩く、土地が一年間の太陽の勢力の全部を吸いとった頃でも、一メートルか二メートル程度の深さまで融けた表土の下は、ずっと底の岩盤まですっかり凍り切っていて、この凍土は永久に融けることがないのである。
こういう永久凍土地帯では、それこそ農民も原始林の木たちも、生涯氷の上に住んでいるのである。地の底まで凍り切った土地の上にいて、わずかに薄く融ける表土層の土から、シベリアの大原始林が生い立つことも驚異であるが、この土地に小麦を栽培することに成功した、ソヴィエトの科学の力もまた一つの驚異と言えよう。