Japanische Klassiker mit Furigana
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アラスカのひょうが
中谷宇吉郎紀行集 アラスカの氷河
中谷 宇吉郎
Lesen Sie 中谷宇吉郎紀行集 アラスカの氷河 (アラスカのひょうが) von 中谷 宇吉郎 (なかやうきちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 122.039 Zeichen · 248 Bildschirme
氷雪の世界には氷雪の巨人が棲んでいるものである。その巨人の氷の殿堂が、粉雪まじりの寒風の中に、厳然として立っている姿は、人界を遠く離れた土地だけに、物凄まじい景色である。
『西遊記』にでも出てきそうなこの景色も、低温科学では「氷上水」という言葉であっさり片づけている。地底に水を透さぬ凍土層がある場合、表面から土が凍って行くと、地下水の出口がふさがれてしまって、下の地下水には強い圧がかかる。それで凍結表土に弱い所があると、そこを破って地下水が湧出するのである。もっともそれは原理だけの説明であって、実際にいつどういう処にこの氷の宮殿が現出するかを予言することも、またその予防策を講ずることも、実際にはなかなか困難である。
無人の境に忽焉として現出する氷の宮殿ならば、嘆賞しておくだけで済むが、この現象がトンネルの掘ってある山などに起きると、話が面倒になってくる。トンネルの壁や天井はコンクリートで固めてあるが、あの裏、即ち土と接している境には、裏込めとして砂利や切込みがはいっている。土地の凍結がある程度まで進行して、地下水の排け口を塞ぎ、内部に圧が加わってくると、地下水の一部は裏込めの層に浸入してくる。