Japanische Klassiker mit Furigana
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いぎょ
中谷宇吉郎集 第七巻
中谷 宇吉郎
Lesen Sie 中谷宇吉郎集 第七巻 (いぎょ) von 中谷 宇吉郎 (なかやうきちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 54.841 Zeichen · 111 Bildschirme
生烏賊の握りには、醤油はつけさせず、食塩をふりかけてくれるのであるが、その食塩が非常に美しくかつさらさらしていて、味もまたきわめてよかった。苦味はぜんぜんない。妙に甘味があって、塩のうまさというものは、こういうものかと感心したくらいであった。今から考えてみれば贅沢な話であるが、この塩は、英国からとり寄せたもので、ドーヴァーの塩だという話であった。ドーヴァーの塩でも、日本の塩でも、塩にかわりはないから、そういう気障なことをいうのは、下等な商業政策だとけなされるかもしれないが、そう簡単にはいえないようである。女学校の割烹では、塩は塩化ナトリウムだと教えるかもしれないが、海水から採った普通の塩は、決して純粋な塩化ナトリウムではない。だから食塩にいろいろの種類があっても、ちっともふしぎではないのである。もちろん主成分は塩化ナトリウムであるが、俗にいう苦汁すなわち塩化マグネシウムが、粗製塩には、かなりの量はいっている。本当は苦汁には、塩化マグネシウムのほかに、いろいろなものがはいっているのであるが、話を簡単にするために、塩化マグネシウムで代表させておくことにする。