Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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たんげさぜん

丹下左膳

林 不忘

Lesen Sie 丹下左膳 (たんげさぜん) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 340.187 Zeichen · 666 Bildschirme

Aozora Bunko

緑面女夜叉

「こいつ、金がないくせに強情な! 例によって決して自分からは言い出さぬ。起きるとまたぐずぐずいって受け取らぬにきまっとるから、そうだ! このあいだに――」

忠相が、そこばくの小判を紙に包んでそっと泰軒の袂へ押し入れると、眠っているはずの泰軒先生、うす眼をあけて見てにっことしたが、そのまま前にも増して大きないびきをかき出した。

とたんに、

庭前を飛んで来たあわただしい跫音が縁さきにうずくまって、息せききった大作の声が障子を打った。

「申しあげます」

「なんだ」さッとけわしい色が、瞬間越前守忠相の顔を走った。

緑面女夜叉

「なんだ騒々しい! 大作ではないか。なんだ」

忠相が室内から声をはげますと、そとの伊吹大作はすこしく平静をとりもどして、

「出ました、辻斬りが! あのけさがけの辻斬り……いま御門のまえで町人を斬り損じて、当お屋敷の者と渡りあっております」

「辻斬り? ふんそうか」

とねむたそうにうなずいた越前守は、それでも、これだけではあんまり気がなさそうに聞こえると思ったものか、取ってつけるようにいいたした。

「それは、勇ましいだろうな」

「いかが計らいましょう?」