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Japanische Klassiker mit Furigana

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たんげさぜん

丹下左膳

林 不忘

Lesen Sie 丹下左膳 (たんげさぜん) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 340.187 Zeichen · 666 Bildschirme

Aozora Bunko

いつぞや老下女おさよの話に出た娘というのがこのお艶であろうとは、さすがの源十郎、ゆめにも気がつかなかった。

駕籠からひきずり出されたお艶を見て、おさよはのけぞるほど愕いたが、そこは年の功、日ごろの源十郎を知っているので、母親ということをさとられずに、かげになりそれとなくお艶の身を守るのが、この際第一の上分別ととっさに考えた。おさよはすばやくお艶に眼くばせしてその意を送り、おもてはあくまでも源十郎の命を大事にすると見せかけて、お艶を奥にあらあらしく監禁しながら、うらへまわっては、母親としてどれだけの切ない心づかいをしなければならなかったろう。運はお艶を見すてず、押しこめられた鬼の窟にありがたい母の手が待っていたのである。

奥まった納戸。

くる日も来る日も、お艶にはかびくさい囚われの朝夕があるだけ――しかしお艶の起居を看視するのはおさよの役だったので、おさよは誰にも疑われずに今のようにそっとお艶の部屋へ忍んでは話しこんで慰めることも、好きな食物も運び得たのだったが母と娘……とはまだ屋敷じゅうひとりとして見ぬいたものはない。

酒の場には必ずお艶がひきだされる。