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Japanische Klassiker mit Furigana

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たんげさぜん

丹下左膳

林 不忘

Lesen Sie 丹下左膳 (たんげさぜん) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 340.187 Zeichen · 666 Bildschirme

Aozora Bunko

「そこをなんとかいたして……」

「むりでさあ、どうも、あっしゃア小屋に縛られている身で、自分で自分のからだがままにならねえんだから」

「逃げろ!」

と強くささやいて弥生は人をはばかってあたりを見まわした。

堂のむこうに祭りのさざめきが沸きたつばかり――すこし離れたここらはひっそりとして人の気もない。

ハラハラと落ち葉が、ふたりの肩にかかる。

「ヘヘヘヘヘ、そりゃアおっしゃるまでもなく、これまでにだって再三逃げ出したことがありやすがね、どこへひそんだってこの不具じゃアすぐ眼についてひき戻されるんで……」

「よし! あくまで拙者らに与するならば、言うにや及ぶ。りっぱにかくまってやろう」

「して、あっしの仕事てえのは、さっきおっしゃったあの人殺し稼業――」

「コレ、声が高いぞ! うむ、その代価として金銀は望み放題……」

「うんにゃ、褒美の件は待ってくだせえ。あっしはあっしで、たった一つ欲しい物があるんだから」

盟約締結――はいいが、そこで弥生につれられてコッソリと森を出はずれた山椒の豆太郎が、ほっそりとした弥生のうしろ姿を、すぐ後からむさぼるように見入って、しきりに舌なめずりとともにひそかにうなずいたのを、弥生は気がつかなかった。