Japanische Klassiker mit Furigana
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たんげさぜん
丹下左膳
林 不忘
Lesen Sie 丹下左膳 (たんげさぜん) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 340.187 Zeichen · 666 Bildschirme
と思うと、
ちょうどその時、刀を引っさげて、小剣来たる方を見さだめようとあたりを眺めまわしていた藤堂粂三郎の横腹へ命中して、粂三郎、二つに折れ曲がって傷口をおさえ、ウウム! と一こえ、うなり声もものすごく夜陰にこだまするが早いか、すでに彼は、ばったり土に仰向いて、空を蹴ろうとするように足を高く上げたのも、二、三度――まもなく草の根をつかんで静止……悶絶してしまった。
そして!
再びざわめき渡る月輪の一同へつぎの手裏剣! こんどは、燐閃、河魚のごとく躍って各務房之丞の鬢をかすめ、ガッシ! とうしろの樹幹に突き立ったから、ここに月輪の残士たち、はじめて短秒間のおどろきから立ちなおって、一団にかたまりあっていたのが、わアッ! と叫んで四方に散ずると同時に危険を実感したらしい首領軍之助のどら声が、指令一下、葉末の露を振るいおとしてひびき渡った。
「伏せ! 伏せ! ピッタリ腹をつけて土に寝ろ! 早く散って……早く!」
これでようやく対策を得た月輪組、あわてふためきながらもソレッ! と蜘蛛の子のように跳び隠れて、一瞬のうちには、みなあちこちの地上に腹這いになったものらしく、見わたす八幡の底に立てる人影もなく、ただ草を濡らす血潮と死体から腥風いたずらにふき立って月の面をかげるばかり剣闘の場も一時は常の春の夜に返ったと