Japanische Klassiker mit Furigana
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たんげさぜん
丹下左膳
林 不忘
Lesen Sie 丹下左膳 (たんげさぜん) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 340.187 Zeichen · 666 Bildschirme
のを聞いてみると、鈴川の殿様のほうが先口で、しかもここに五十両という手切れの現金、おまけに五百石の女隠居というのに婆さんコロリと参っているふうだから、こりゃア今になって俺がどんなに割りこもうとしたところで所詮相手が旗本ではかないっこない。
といって、黙って見ていたんじゃあ、おれが行かなくても婆さんなり誰かなりが出かけて話をまとめ、ことによったら鈴川様はお艶坊を手活の花と眺めるかも知れない。あのお艶を、鈴川だろうが何川だろうが、金で買わせてなるものか!
――と、ひどく心中にりきみかえってしまった鍛冶屋の親方富五郎、お艶を本所へやらないためには、じぶんがこの五十両を持って逃げるに限る。そうすれば、おさよも手ぶらではお屋敷へ帰れず、またお艶のありかを知る者は自分以外にないのだから、鈴川様の手がお艶にとどくことはない。――
そうだ。一つ五十金を路用にして、当分江戸をずらかることにしよう?
なんとしても、あの菊石の殿様にお艶さんを自儘にさせることはできねえ!
どうも女房のおしんにはあきの差しているところだ。一番ゆくえをくらまして、この金のつづく限り、おもしろおかしく旅の飯を食ってこよう……と、おのが手にはいらない物は他人にもとらせたくないのが下司の人情、金を持って瓦町へ行くとは真っ赤なうそで、おしんやおさよをちょろまかし