Japanische Klassiker mit Furigana
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たんげさぜん
丹下左膳
林 不忘
Lesen Sie 丹下左膳 (たんげさぜん) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 340.187 Zeichen · 666 Bildschirme
その御眼力にはずれはねえ。しかもお前、そのめしもりの女ッてエのが、また途法もねえ阿婆摺れだってえじゃアねえか」
「そうよそうよ! 櫛まきのお藤と言ってナ、江戸お構えだったのが、江戸で見つかったんだけれど、お情けの筋あって東海道へ放されたんだそうだが、こんどは引き売りてえ新手の詐偽を働いて、そいつもいっしょにつかまったとよ。ひき売りてえのは、お前のめえだが、男がお藤を宿場へ売って、あとから行ってすぐに連れ出すのよ。つづみの与吉てエ野郎だそうな、相手の男は」
「するてえと、お藤と与吉と鍛冶富と三人お手あてになったわけかえ?」
「アアそうよ。鍛冶富はかかりあいだが、みんな江戸へ送られてナ、きょうはいよいよ本所の鈴川様へ御用十手が飛びこんだのだ」
「化物旗本め、今ごろは手がうしろへまわっているに相違ねえ」
この話し声を、わが身に縁のうすいことのようにボンヤリと聞きながら、お艶がふらふらと橋の欄干に寄ると、世は移り変わり、象はちがっても、我欲をあらわに渦をまく人の浪。
茜いろの夕陽が天地をこめて、お艶の影を、四辻の土に黒く長くななめに倒している。
河岸に灯がはいって……夢のよう。