Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
ここのつのかぎ
九つの鍵
野村 胡堂
Lesen Sie 九つの鍵 (ここのつのかぎ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 21.349 Zeichen · 42 Bildschirme
「餌?」
「三郎君から使いがあったすぐ後さ、ぼくも応援に飛び出そうとして支度をしていると、若い西洋料理屋のコックのような男が、シュークリームを十七八詰めたボール箱を持って来て、――若旦那からのお使いですが、たいくつだろうから、これを皆んなで食べて下さい、こさえ立てだから、なるべくすぐ召上るように――という口上だ、ぼくもそれじゃせっかくだからシュークリームをごちそうになってから出かけようと、家中の者を皆んな居間に呼んで、お茶を入れさしてそいつを平らげたんだ、門番の佐五平爺やのところへは、皿に入れて三つだけとどけさしたよ」
「ひとりで三つもやったのか」
「こんな時でなきゃ、存分にシュークリームが食べられないからな、皆も大喜びさ、――でもあとで考えると、変なことがあったよ」
「変なこと?」
「シュークリームは少し苦かったし、使いの者の口上も変じゃないか、三郎君のことを、若旦那なんてそんな封建的な呼び方をする者はありゃしないよ。三ぶちゃんとか三ぶ公ならわかっているが」
青い顔をしているくせに、口ではなかなか威勢のいいことを言う照国の誠一です。
「それに気がつかなかったのか」