Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

ふたつのみち

二つの途

豊島 与志雄

Lesen Sie 二つの途 (ふたつのみち) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 51.102 Zeichen · 104 Bildschirme

Aozora Bunko

敢然と肯定してはいっていった愛の生活、両親を捨てて家を飛び出した前後の事情、世に隠れて移り住んだ一室、絶えず胸に沸いてきた奮闘の力と信念、それらが……僅かな一撃の下に崩壊してしまった。而もそれは、二人が身を托した友人の手によって為された、自分の半身だと信頼していた彼女の手によって為された。彼は足場を失って無限の深みへ落ちてゆくのを感じた。そして今、陥った無限の底に達すると、何処からともなく仄かな明るみがさして来るのを知った。それは自分が存在してるというかすかな意識だった。彼はその明るみに縋りついた。上に浮び出ると、涙ぐましいばかりの生命の光りが漲っていた。すると、僅かな気分の揺ぎに、その光りがふっと陰っていった。過去の事実が巖として聳えていた。彼はまた無限の暗い深みへ陥っていった。斯くて彼は、先夜死の幻の暗い穴を脳裏に去来さしたように、闇と光りとの間を往来した。然し今投げやり投げ返されるのは彼自身であった。そして、殆んど律動的な残忍な上下動に身を任しているうち、彼は遂に一つのものに辿りついた。それは無限の底に身を落付けることだった。生きるということの光りを見捨てて、ただ存在するという仄かな明るみに、深い闇の底に何処からともなく射してくる明るみに、闇を安住させることだった。