Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
はたちのエチュード
二十歳のエチュード
原口 統三
Lesen Sie 二十歳のエチュード (はたちのエチュード) von 原口 統三 (はらぐちとうぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 61.578 Zeichen · 125 Bildschirme
ふと、泣き疲れて見上げた目に、お母さんの淋しそうな、涙にうるんだ視線で、やさしく僕を咎めている顔が映ったのだった。
僕は机の上にあっただれかのハンカチをとって、お母さんの膝の上に甘えかかりながら、赦しを乞うように、そのハンカチでお母さんの瞼を拭いてあげたのだ。
お母さんの眼が笑った。そしてハンカチを自分の手にとって、僕の顔を拭ってやろうとしながら、
「富士絹ね」と無心にぽつりと言った。……
あとで道ちゃんに尋ねたら、あのハンカチは人絹だった。
*29
他人の家に行くと、かしこまって、気兼ねばかりした僕――自然な大胆さを装おうとすると、決まって飛んだ失敗をする。
僕は生まれつき、臆病な、風邪をひきやすい箱入り娘なのに違いない。
*30
故郷はない。それなのに、僕は己の故郷以外の土地には住めない人間なのだ。
*31
親戚ほど、不愉快な他人はない。おかしくもないのに、笑顔を見せねばならぬ理由がどこにある。
*32
僕は忸れ合いが嫌いだ。僕の手は乾いている。
*33
日本では年じゅう黴が生える。この国の人々の手は汗ばんでいる。