Japanische Klassiker mit Furigana
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はたちのエチュード
二十歳のエチュード
原口 統三
Lesen Sie 二十歳のエチュード (はたちのエチュード) von 原口 統三 (はらぐちとうぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 61.578 Zeichen · 125 Bildschirme
夜明けごとに、違った地角に姿を現わす、神出鬼没の暁の使者、季節の変わるたびごとに、新しい童話を乗せて渡ってくる異国の風、そうして粉雪の降る正月の晩、貧しい街々をめぐっては、子供たちの枕べに、やさしい初夢の唄を奏でる、僕は恵み深い訪問者、気軽な独り身の辻音楽師であった。
その夕べ、地獄の歌はもうなかったが、僕はジャズなどには目もくれなかった。
*24
けれども、僕は「屋根裏」を棄てたのだ。外に出れば寒かったが、乞食のまねはしなかった。思えばあの時の僕は勇ましかった。だが、結局は、新しい、前よりもけちな棲家に足をつっこんでいるではないか。無垢の旅人になることだ。
*25
昨夜の夢で、僕はショパンになっていた。
雄々しい力強い第一弾。ショパンは今、はるかな回想の時間の突端に、立って、昂然と身ずまいする。
急に、こらえていた感慨の堰が切れたように、ショパンの右手は想い出の階段を駆け上がって、そこに一つの風景を眺めるのだ。
夕暮れの空の下にひっそりとまどろむ、奥深い木立に包まれた、とある郊外のとある庭園。やさしい微風と、葉ずれの音の合唱に和して、噴き上げの水がたえず規則正しい四分の三拍子でさらさらと流れつづけている。