Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

はたちのエチュード

二十歳のエチュード

原口 統三

Lesen Sie 二十歳のエチュード (はたちのエチュード) von 原口 統三 (はらぐちとうぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 61.578 Zeichen · 125 Bildschirme

Aozora Bunko

*55

君たちは、信仰を持たないと公言して誇らしい顔をするが、それは少しも自慢すべきことではない。

僕は信仰を尊敬する。何故なら、信仰はお喋りをしないからだ。

*56

僕は黙っている海が好きだ。波の穏やかな日の海が好きだ。

けれども僕が、語らない海を愛するのは、それがすばらしい語り手であることを知っているからだ。

静かな忍従の衣の下にやすらう黎明の海上にも、きっと、あの壮絶な暴風の夜半が、怒号の夕べが、泡立つ正午が約束されているからだ。

だが、これは悲しいことではないのか。この約束なしにわれわれは海を愛せるであろうか。

人は海べに来て、はるか青一色の沖合いに砕ける幾つかの白い波頭を認めなければ、最後の微風も死に絶えた大気の中に、かすかなざわめきを聴きとらなければ、衰えた秋の陽を浴びて、じっと動かない灰色の砂丘の上に、無残な嵐の一夜の痕跡を踏まなければ、おそらく退屈に耐えずして踵を返すだろう。

僕が語り手でなくなることを嘆くまい。

蒼穹を、あの永遠の唖の少女の、美しい瞳を仰ごう。

*57

僕の死を知る時の他人の思惑への予想。