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Japanische Klassiker mit Furigana

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はたちのエチュード

二十歳のエチュード

原口 統三

Lesen Sie 二十歳のエチュード (はたちのエチュード) von 原口 統三 (はらぐちとうぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 61.578 Zeichen · 125 Bildschirme

Aozora Bunko

ここまで到達した後に僕は死を決意した。僕は「より誠実であろう」とするものであって結果を恐れるものではない。僕はどうしても自分を許せなかったのだ。

*25

「報いはない」

悪魔はどこまで行っても、この言葉を囁くのだ。

「救いはない」

僕の胸はたえずこの声にしめつけられる。

「頌歌はない」

寂寥は至る所で僕を待ち構えている。

「勝利はない」

だからと言って、僕が敗北したと、だれが言えよう。

*26

僕の精神は血にまみれて歩く。

*27

正道君の僕への批評はこうだったろうか。

――君はもともと、独りきりになったら生きて行けないほどの寂しがり屋のくせに、側に人が来ると、邪慳にあっちに行け、と言う。

もっともだ。僕くらい、いい気な男はない。

*28

如意輪寺で、

道ちゃんと玲子に贈るものはないだろうか、と僕の内奥の心が迷っていた。

その時、お婆さんは誘うような眼で言った。

――富士絹だっせ。

この言葉が僕の意志を決定した。

僕はお母さんと暮らしていたころのある日を想い出したのだ。

僕はいつものように駄々をこねた。何と言われても、すかされても泣きやまなかった。