Japanische Klassiker mit Furigana
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にがつなのか
二月七日
宮本 百合子
Lesen Sie 二月七日 (にがつなのか) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 3.981 Zeichen · 8 Bildschirme
正面の大鏡に写った顔を見て彼女は自分で自分をすっかり診察して仕舞いました。
彼女の白眼は海の様に青く、頬の両傍から鼻にかけて妙にうるんできめの荒く赤がった皮膚がたるんで居るのは彼女の頭の工合の悪い時に限って表われる事なのです。
食堂に来て見ると母は珍らしくテーブルの傍に腰かけて忘れ物を仕た様な顔で頬杖を突いて居ました。
「英男さんが好いんですってねえ、
何てよかったのでしょう。
「ほんとにねえ、
今日はまあ六度六分になったのだよ。
昨日一日彼那だったので私はまあどれ程案じたか知れやしない。
ああ、ああよかった。
かなり長い間の心労に安心が出て母はぐったりした様にして居ます。
彼女はその様子に一層気のたるんだのを感じながら、ストーブの石炭からポッカリ、ポッカリ暖い焔の立つ広い部屋の裸の卓子に向い合ってまじまじと座って居ました。
外の雪の音は厚い硝子に距てられて少しも聞えません。
非常に静かな部屋の中に二つの心は、安心し、疲れ、嬉しがりながらがっかりして口も利かずに見合って居るのでした。
午後になっても夕方になっても熱は出ません。
彼女は益々安心して益々過敏になりました。