Japanische Klassiker mit Furigana
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にひゃくとおか
二百十日
Lesen Sie 二百十日 (にひゃくとおか) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 29.466 Zeichen · 60 Bildschirme
「おおかた熊本でござりまっしょ」
「ふん、熊本製の恵比寿か、なかなか旨いや。君どうだ、熊本製の恵比寿は」
「うん。やっぱり東京製と同じようだ。――おい、姉さん、恵比寿はいいが、この玉子は生だぜ」と玉子を割った圭さんはちょっと眉をひそめた。
「ねえ」
「生だと云うのに」
「ねえ」
「何だか要領を得ないな。君、半熟を命じたんじゃないか。君のも生か」と圭さんは下女を捨てて、碌さんに向ってくる。
「半熟を命じて不熟を得たりか。僕のを一つ割って見よう。――おやこれは駄目だ……」
「うで玉子か」と圭さんは首を延して相手の膳の上を見る。
「全熟だ。こっちのはどうだ。――うん、これも全熟だ。――姉さん、これは、うで玉子じゃないか」と今度は碌さんが下女にむかう。
「ねえ」
「そうなのか」
「ねえ」
「なんだか言葉の通じない国へ来たようだな。――向うの御客さんのが生玉子で、おれのは、うで玉子なのかい」
「ねえ」
「なぜ、そんな事をしたのだい」
「半分煮て参じました」
「なあるほど。こりゃ、よく出来てらあ。ハハハハ、君、半熟のいわれが分ったか」と碌さん横手を打つ。
「ハハハハ単純なものだ」
「まるで落し噺し見たようだ」