Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ごかいのまど

五階の窓

江戸川 乱歩

Lesen Sie 五階の窓 (ごかいのまど) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 10.189 Zeichen · 21 Bildschirme

Aozora Bunko

探偵小説の世界だよ。何かしら、恐ろしい犯罪でも起り相な気がする」

「小説家らしいことを云うね。そりゃ犯罪は盛んに行われているさ。だが、活動写真や探偵小説にある様な、激情的な奴は一寸ないね。住んでいるのがやっぱり日本人だから」

「そうかなあ。その辺の曲り角から、覆面のホールダップでも出そうな気がするがなあ」

「ハハハハハハ、そんなものが出て呉れれば、面白いのだけれど」

二人はいつの間にか細い道に入っていた。Sビルディングの裏手に当る所で、一方には大きな倉庫が立並び、道幅は自動車がやっと通れる程の狭い谷合だった。

「君何だろう」

小説家がふと立止まって、行手を指さしながら言った。

「変だね。人が寝ている様だね。病人かな」

新聞記者も気味悪そうに立止った。

薄暗い敷石道に、黒い洋服を着た男が長くなっていた。その様子が、病人や酔漢ではなくて、どうやら死人ではないかと思われた。

二人は、こわごわその側へ寄って行った。

「アッ、血だ」

小説家が頓狂な声を出した。

「落ちたんだよ、きっとこのビルディングの上からだ。頭が滅茶滅茶にやられている」

記者は物慣れた様子で、死体を覗きながら云った。