Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

ごかいのまど

五階の窓

江戸川 乱歩

Lesen Sie 五階の窓 (ごかいのまど) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 10.189 Zeichen · 21 Bildschirme

Aozora Bunko

五

「キチンと片づいていて、格闘の跡なんかありませんし、別にこれといって」

「社長の折鞄がなくなったといいますね」

「ハア、それは確かに私が見たのですが、どう探してもありません」

「何が入っていたのです」

「詳しいことは分りませんが、今朝現金二千円を御渡ししてあります。財布にない所を見ると、どうもそれが折鞄に入れてあった様です」

「どうした金です」

「費い路は分りません。社長の命令で会計から渡したのです。私共の店では、社長の個人用の金も、命令次第で名目をつけて会計から支出することになっています。株式会社と云い条、実は個人商店みたいなものですから」

そこで検事は、折鞄の外形から、紙幣の種類などを聴取って、かたえの書記に控えさせた。そして、なお暫く些細な問答がくりかえされ、やがてその夜の訊問は一段落を告げた。

五

山本はその場で原稿を書いて、応援の記者に持たせてやると、もう用済みだった。彼は待合せていた小説家の長谷川と一緒にビルディングを出ると、この興味ある見聞について話し合う為に、又もや近くのカフェーに立寄った。

「驚いたね」隅っ子の卓を選んで腰を卸すと山本が云った。