Japanische Klassiker mit Furigana
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じんがいまきょう
人外魔境
小栗 虫太郎
Lesen Sie 人外魔境 (じんがいまきょう) von 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 20.384 Zeichen · 42 Bildschirme
やがて、満座の注視を一点にあつめて、五十万ミルの「梯子」がはじまった。
作者として、勝負の成行きを詳述するのは避けるが、ついに、カムポスの勝利動かぬという局面になった。手札が二枚、ハートの一に、ダイヤの十。これは誰しも、ダイヤの十で切ってハートの一を残す。人々は、緊張が去ってざわめきはじめ、やれやれ、気紛れにもせよ五十万ミルは高価いと、ようやく、方々で扇の音が高まってきた。
「なるほど、こいつの一番違いの、易いは当った。五十万ミルがそもそもの始めで、これから奴は鰻のぼりになるか※(疑問符感嘆符、1-8-77) 代議士になり、将軍になり、大統領になり――。まだまだラテン・アメリカにはそんな余地があるからな」
とカムポスの背後にいてこんなことを考えていた瞬後、アッと、折竹が思わず叫ぶようなことが、カムポスの指に起ってしまった。いわゆる手拍子が好勢にゆるんだのか、子供でさえ最後にとって置くハートの一を、彼がパッと場へ投げだしてしまったのである。逆転! あれよあれよと満座が騒ぐなかで、勝負は一瞬に決してしまった。
カムポスが負け、ロイスが勝った。
「どうも、変だ変だと思ってたんだが、惚れやがって※(疑問符感嘆符、1-8-77)」