Japanische Klassiker mit Furigana
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じんがいまきょう
人外魔境
小栗 虫太郎
Lesen Sie 人外魔境 (じんがいまきょう) von 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 20.384 Zeichen · 42 Bildschirme
と折竹は呆れかえるような思い。いまの、カムポスの失策が明らかに故意であることは、別に、本人に問いただすまでもない。一目惚れというかなんて早いやつだと、暫く二人を見くらべながら呻っていたのだ。しかし、その翌日すべてが明らかになった。
約束どおり、翌日ロイスがカムポスを訪ねてきた。彼女が、五十万ミルの大勝負を引きうけたというのも、事情を聴いてみれば成程とうなずける。きょうは、瀟洒な外出着であるせいか、白いロイスがいっそう純なものにみえる。
「折竹さん、あなたは三上重四郎というお国の医学者を、ご存知でいらっしゃいますね? パタゴニア人に保護区政策をとれと、アルゼンチン政府と喧嘩をした……」
「知ってますとも。去年パタゴニアで行方不明になった……」
「いいえ、それがパタゴニアではなかったのです。それからあのう、三上が学生時代に発表した『Petrin 堆積説』も、折竹さんはご存知でございましょう」
三上重四郎は、いわゆる二世中の錚々たるもの。在学中、はやくも化石素堆積説なるものを発表した。
化石素とは元来植物にあるもので、一つの種類が、絶滅に近づくと組織中にあらわれてくる。