Japanische Klassiker mit Furigana
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じんがいまきょう
人外魔境
小栗 虫太郎
Lesen Sie 人外魔境 (じんがいまきょう) von 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 101.713 Zeichen · 205 Bildschirme
マヌエラは指先を震わせて封を切った。
マヌエラよ、天罰が私にくだった。あなたを、このうえ“Latah”で苦しませるのは忍びぬと思いそっとあの断崖からつき落そうとしたとき……私は、砂流に運ばれて地中に落ちこんだ。それは地中より湧きいで地中に消える暗黒河であった。
なん時間後か、なん日後か、とにかく私は闇のなかで目をさました。おそろしい冷気、冥路というのはこれかなと思ったほどだ。そしてどこかに、滝があるような水流の轟きがする。しかし、まだ私が死んでないということは、やがてからだを動かそうとしたときはっきりと分った。節々が灼けるように疼くのだ。私は、それでもやっと起きあがった。手さぐりで、からだを探ってみると雑嚢がある。なかには、ライターもあり固形アルコールもある。――ああ、この、短い鉛筆でくわしくは書けない。
そこで、服地をすこし破いて固形アルコールで燃すと、ぐるりがぼんやり分ってきた。何処もかもが真白にみえる。目を疑った。すると、天井から雪のようなものが落ちてきた。甜めて見ると唇につうんと辛味を感じた。それでやっと分った。私は砂川から岩塩の層に落ちこんだのだ。