Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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じんがいまきょう

人外魔境

小栗 虫太郎

Lesen Sie 人外魔境 (じんがいまきょう) von 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 101.713 Zeichen · 205 Bildschirme

Aozora Bunko

「“Gori-Nep”って?」と折竹がちょっと口を挟んだ。

「つまり、野郎は演芸用海豹仲間のゴリラですからね。マア、この鉄葉ズボンの穴をみてくださいよ。たいていの海獣なら二、三度で噛み止みますが、あいつの執念ときたらそりゃ恐ろしいもんで……。ええ、その大将はすぐ参ります。じつは、野郎だけが独房生活で」

その、通称“Gori-Nep”という得体のしれぬ海獣を、まもなく折竹はしげしげとながめはじめた。身長は、やや海豹くらいだが体毛が少なく、まず目につくのがおそろしく大きな牙。おまけに、人をみる目も絶対なじまぬ野性。ついに折竹にも見当つかずと見えたところへ「あれかな」と、連れのケプナラを莞爾となって、ふり向いた。

「ケプナラ君、君はエスキモー土人がいう、“A-Pellah”を知っているかね」

「アー・ペラー※(疑問符感嘆符、1-8-77) いっこうに知らんが、なんだね」

「海豹と海象の混血児だ。学名を“Orca Lupinum”といって、じつに稀に出る。その狂暴さ加減は学名の訳語のとおり、まさに『鯨狼』という名がぴたりと来るようなやつ。孤独で、南下すれば膃肭獣群をあらす。