Japanische Klassiker mit Furigana
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じんがいまきょう
人外魔境
小栗 虫太郎
Lesen Sie 人外魔境 (じんがいまきょう) von 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 101.713 Zeichen · 205 Bildschirme
「きょうは、全部のことを包まずお話しようと思うのです」
相変らず、ケルミッシュを鬱々としたものが覆っている。二人は前回の影響もあり、白昼幽霊をみる思い。
「私が、なぜヨーロッパに居りながら、あの魔境のなかを知っているか。それにはじつをいうと次のような話があるのです。あなた方は、『宣賓の草漉紙』『メンヤンの草漉紙』という名の漂着物をご存知ですか。一つは揚子江の流れをくだり四川省の宣賓、一つはメーコン河をくだって仏領インドシナのメンヤンへ、それぞれ流れついたものがあったのです。
それは、古来から何処にもないような草漉紙でした。そしてそれに、チベット文字のようなジャワ文字のような、とにかく、その系統にはちがいないが判読できぬという、じつに異様な文字が連っていました。たいていの学者は、それをなにかの悪戯のように考えたらしいですが、私は、それに執心五年、やっと読み解くことができたのです。
宣賓のには、紅玉光をはなつ峰のさまが書かれてある。それが先日、私がたしかめた紅蓮峰の山巓でした。あの二つの草漉紙は、それぞれ『天母生上の雲湖』の九十九江源地から流れてきたのです。