Japanische Klassiker mit Furigana
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じんがいまきょう
人外魔境
小栗 虫太郎
Lesen Sie 人外魔境 (じんがいまきょう) von 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 101.713 Zeichen · 205 Bildschirme
君がケティをみる目も尋常じゃないよ」
折竹は、俺もかと思うとぞっと気味わるくなった。じぶんだけは、男のなかでも超然として、なんの白痴女と些細も思わぬと考えていたのに、やはり、ダネックがみるじぶんの目もちがっている※(疑問符感嘆符、1-8-77) それが、「天母生上の雲湖」の不思議な力だろうか。いまに、このバダジャッカで愚図付いているうちには、全員が気違いになってしまうのではないか。さすが、援蒋ルートをふさぐ大使命をもつだけに、まだ折竹は正常さをうしなっていない。
そこで、二人を急きたてて攻撃準備をいそぎ、いよいよその三日後魔境へ向うことになった。海抜一万六千フィートのここはなんの湿気もない。ただ烈風と寒冷が髭を硬ばらせ、風は隊列を薙いで粉のような雪を浴びせる。やがて、櫛のような尖峰を七、八つ越えたのち、いよいよ「天母生上の雲湖」の外輪四山の一つ、紅蓮峰の大氷河の開口へでた。
そこは、天はひくく垂れ雲が地を這い、なんと幽冥界の荒涼たるよと叫んだバイロンの地獄さながらの景である。氷河は、いく筋も氷の滝をたらし、その末端は鏡のような断崖をなしている。まったく、そこで得る視野は二十メートルくらいにすぎない。