Japanische Klassiker mit Furigana
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じんがいまきょう
人外魔境
小栗 虫太郎
Lesen Sie 人外魔境 (じんがいまきょう) von 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 101.713 Zeichen · 205 Bildschirme
そうすると、なぜ群居をはなれて彷徨っていたのだろうか。捨てられたか……追放されたか……? あるいは、ずうっと幼少時から孤独でいたとすれば野獣や、王蛇が横行する密林でぬけぬけ生きられるわけはない。また、故郷のジャングルをしたう郷愁といったものも、ドドには気振りにさえもみえないのだ。
郷愁を感じない、野生動物がどこにあるだろうか。つかまって、環境がちがったときはどんな生物でも、食物をとらなかったりして郷愁をあらわすものだが、それがドドには不思議にもないのだった。
すると、カークをふり向いてアッコルティ先生がいった。
「まだ捕獲した場所を聴いてなかったね。いったい、このドドをどこで見つけたんだ?」
「それが、ほぼ東経二十八度北緯四度のあたりです。英領スーダンと白領コンゴの境、……イツーリの類人猿棲息地帯から北東へ百キロ、『悪魔の尿溜』の魔所へは三十マイル程度でしょう」
悪魔の尿溜――それを聴くと同時に、一座はしいんとなってしまった。ただ、屋根をうつ大雨の音だけが轟いている。
「そうか、悪魔の尿溜のそばか――」
アッコルティ先生もここまで来ると、あっさり断念めたように投げやりな口調になった。