Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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じんがいまきょう

人外魔境

小栗 虫太郎

Lesen Sie 人外魔境 (じんがいまきょう) von 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 101.713 Zeichen · 205 Bildschirme

Aozora Bunko

ゆけ、金をやるぞとあまり語気がつよいと、おう、お嬶ァ――と、なかには泣きだすものが出てくる。

じっさい、ここで一同は戻ろうとしたのだった。探検の熱意は、もう誰にもなく、ただカークの指揮でここまで来ただけでも、一同にとれば大成功といえよう。すると、座間一人がなんと思ったのか、強くゆくことを主張したのである。

殺意が……、この静かな男の面上を覆い包んでいるのを、そのとき誰も気が付くものはなかった。この機会、最後の密林のなかでヤンを殺ろう。と、身丈ほどもある気根寄生木の障壁、そのしたに溜っているどろりとした朽葉の水。それが、燈火へ飛びこむ蛾の運命となるのも知らず、ともかく、荷担ぎを待たして前方に足をすすめたのである。

そのとき、地峡をとおる蛇を追うために、カークが野火をはなった。その煙りが、娑婆をうつすいちばん最後のものになったのが、隊のなかの誰と誰だろうか。そうして、最後の密林行がはじまったのである。

すると間もなく、樹間がきらきらと光りはじめてきた。森がつきる――とそのとき、どこに潜んでいたのか十四、五人のものが、一同をぐるりと取り囲んでしまった。