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Japanische Klassiker mit Furigana

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じんがいまきょう

人外魔境

小栗 虫太郎

Lesen Sie 人外魔境 (じんがいまきょう) von 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 101.713 Zeichen · 205 Bildschirme

Aozora Bunko

「猿酒郷」の一夜

見なれぬ土人だ。しかも、頭だった一人は短いパンツをつけている。

「やあ、今日は」

カークが進みでて愛想よく挨拶をした。しかし、練達な彼がぐっとつかえ、語尾が消えるように嗄れてしまったのだ。拳銃が……無意味な銃口をむけている。やがて、顎でぐいぐい引かれて森をでると、したは、広漠たる盆地になっている。草葺きが、固まっているなかに、倉庫体のものさえある。

「ここは、どこだね」

カークが一同を怯えさせまいとするように、言った。すると、その男の口から意外にも、未探地帯――とドイツ語が洩れた。アッと、顔をみると鼻筋の正しい、色こそ熱射に焼けているが、まぎれもない白人だ。

「驚いたろう。俺は、ここに二十年あまりもいる。万一有事のとき、ナイルの水源を閉塞するためにかくれている。俺はドイツ人でバイエルタールという男だ」

こうして、想像を絶する悪魔の尿溜の怪奇のなかへと、運命の手が四人のものを招きよせてゆくのだった。

「猿酒郷」の一夜

一行の導かれた盆地は谿谷の底といった感じで、赭い砂岩の絶壁をジグザグにきざみ、遥か下まで石階が続いている。それが、盆地の四方に一か所ずつあって、それ以外の場所は野猿にも登れそうもない。