Japanische Klassiker mit Furigana
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にんげんひょう
人間豹
江戸川 乱歩
Lesen Sie 人間豹 (にんげんひょう) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 155.989 Zeichen · 311 Bildschirme
だが、虫が知らせたのであろうか、走る自動車の中で、神谷の心は妙に落ちつかなかった。これでいいのかしら、何をいうにも相手は魔性の人間豹だ。嗅覚のするどい野獣のことだから、長いあいだには、蘭子の隠れがを突きとめまいものでもない。蘭子の安全のためには、彼女を隠すことなどより、人間豹そのものを、一日も早く捕まえてしまうのが最善の策である。そうして、牢獄にぶち込むなり、死刑に処するなりにしてしまえば、蘭子ばかりではない、世間全体の安堵である。動物園の檻を抜け出した野獣みたいなやつが、ノソノソ町を歩いていたのでは、東京じゅうの人が枕を高くして寝ることができないわけだ。
それについて、神谷は数日以前から考えていたことがある。警察力が頼むに足らぬとすれば、もうほかに手段はない。一縷の望みは有力な民間探偵の力を借りることであった。私立探偵といえば、たちまち思い浮かぶのは明智小五郎だ。彼なれば、警察が手古ずった難事件をやすやすと解決したという話を幾つも聞いている。殊に人間豹のような怪犯人には、明智こそ似つかわしいのではあるまいか。
「ああ君、ちょっと行先きを変えるよ。