Japanische Klassiker mit Furigana
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にんげんひょう
人間豹
江戸川 乱歩
Lesen Sie 人間豹 (にんげんひょう) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 155.989 Zeichen · 311 Bildschirme
どうしたって、このまま泣き寝入りするわけにはいかぬ、草の根を分けても恩田親子を探し出して、かならず恨みをはらさねばならない。彼はもうじっとしていられなかった。相談相手は明智小五郎のほかにはない。それに明智にはけさからの出来事を報告しなければならないのだ。神谷はそそくさと外出の用意をして、家人にも告げず、わが家を抜け出したのである。
タクシーを拾って明智の事務所へ急ぐ道すがら、賑やかな大通りの角々に、夕刊売子の鈴の音、「江川蘭子殺人事件」の貼り紙、だが神谷は車を止めて夕刊を買う勇気はなかった。顔をそむけるようにして、デカデカと赤インキの丸々をつけた貼り紙の前を通りすぎた。
明智は待ちかねていたように、彼を応接室に通した。テーブルの上には幾枚かの夕刊がひろげてある。そこには、蘭子の生前の写真が、さまざまのポーズでもって頬笑んでいるのだ。
「僕はあなたにお詫びしなければならない。こういうことになったのは、僕があいつを見くびっていたからです。警告状を黙殺して、築地の家を襲ったりしたからです。なんとも申しわけありません」
明智は率直に詫びた。
「いや、先生の失策だとは思いません。